微生物の可能性

微生物の可能性

太陽油化の本業は都市部の排水から発生する高濃度の汚泥を無害化する廃棄物処理です。排水からの汚泥発生はいたるところで起きますが、私たちの扱う範囲は主に、レストランなど飲食店の排水や東京の中心に膨大に広がるビル群の排水から発生する汚泥です。
これらは、人々の都市生活に伴い発生する有機物が主体です。
これらの汚泥は、水処理の技術を駆使して浄化するのですが、そのコアに当たるのが微生物のコントロールになります。私たちは、この事業をスタートした平成元年(1989年)から常に微生物について研究し、そして学んできました。最初の目的は、汚泥処理の効率化を図ることでした。しかし、私たちが開発した微生物群は、汚泥に含まれる複雑で多様な有機物を迅速かつ効果的に処理する性質を持っており、これが土壌中の有機物を分解し、植物が吸収しやすい形に変えるのにも有効であるため、事業の方向性を農業分野へと転換しました。農業分野での効果はすぐに確認ができましたが、当時は、汚泥からリサイクル技術によってつくられた当初の東京8は、中々、農業分野では、受け入れられませんでした。実は同時期に、廃棄物の不適正処理による農業分野での問題が沢山ありました。大きな例としては、埼玉県所沢市のダイオキシン問題です。違法な野焼きなどで、地域の農業者は風評被害を受け、膨大な被害をうけた過去があります。違った問題ですが、食品偽装の問題も多数ありました。

安全・信頼の微生物製剤誕生

廃棄物由来の製品の信用性は低く、どんなに優れた効果を発揮していても当時の肥料登録「汚泥発酵 「肥料」では、農業者の関心は得られませんでした。そこで、私たちは、東京8の安全性と信頼を確保するために、改良を重ね、2019年に製造フローの改良に成功しました。汚泥からの分離に成功し、有機農業で使用可能なバイオマスを使った培養に切り替え、そしてこのことにより、汚泥発酵肥料から普通肥料に登録変更ができました。
さらに、2022年春、3年の歳月を経て有機JAS資材の登録を完了したことから、どのような農業でも使用できるバイオスティミラントが完成しました。
実に、汚泥処理を立ち上げてから34年、農業分野への東京8実用を試みてから13年の歳月を懸けてきました。
そして、今、農業を取り巻く環境は化学肥料の高騰、農産物の海外競争力獲得などコストの面でも付加価値の面でも変化を必要とする時代が訪れてきました。